オーストラリアと労働者についてお話しています。
●名物ストライキ
オーストラリアにはけっこうストライキがあるようなイメージがありますが、実際はそんなことはありません。
正直なところ、このような労働者のストライキ癖みたいなものは、現代ではなく1970年代という特定の時代のものです。
現代では、賃金が高度に制度化・中央集約化され、法定最低賃金が決められ、定期的に労働賃金が見直されます。
ちなみに、ストライキが急激に減ったのは、オーストラリア労働組合評議会(ACTU)が、1983年に労働党との「アコード」を結んでからです。
これは、賃金を物価にスライドさせるという協定で、1983年から労働党が政権を握り、ボブ・ホークという人は1991年までオーストラリア史上最も長く労働党首相を務めました。
1980年代に労働争議で失われた労働日は年平均で150万日にのぼりましたが、それでも1974年の630万日と比べるとずっと少なかったりします。(1998年には、52万6000日に減っています。)
●もっともストが多いのは鉱山業
もっともストライキが多いのは、鉱山業で、これは争議で失われた総労働日の約半分を占めています。
けれども、この産業は世界のどの国でも問題が多い産業だったりします。
第1次産業が占める割合が少なく、鉱山業がほとんど行われていない日本では、なかなか実感しにくい事実だったりしますけど…
次に多いのは、港湾関係です。「荷役労働者」が働くこの産業は、荒っぽい人が多く、いまだ旧来の労働慣行に縛られていたりします。